鍼灸と腰痛、鍼灸と自律神経に関する様々な症状

 

鍼灸師 濱野英太郎

1:鍼灸いろいろ:東洋医学的な鍼灸と西洋医学的な鍼灸

鍼灸で何が治療できるのでしょう?

鍼灸でどうして身体が楽になるのでしょう?

日本ではよく、肩こり、五十肩や腰痛に鍼灸がよいと考えられています。

一方、ヨーロッパでの鍼灸は、東洋医学の一つの体系化された医学として、現代医学を補完する医療の一部と考えられています。また、理学療法士が、治療の一部として鍼を使うこともあります。一口に鍼灸と言ってもいろいろあるのです。

世界では、鍼灸の生まれた中国スタイル、いわゆるTCM(Traditional Chinese Medicine)が鍼灸の主流を占めています。しかし、中国において、国家が介入して現在のように体系化されたのは現代になってからになります。一方日本では、古代より伝統中国医学を受け入れ、それを独自に発達させてきました。そして、明治時代に入って日本が西洋医学を導入してから、さらに様々な治療スタイルが鍼灸師たちによって編み出されてきました。

 

そして、現在ではそれぞれの鍼灸師の身体に対する捉え方の違いよって、様々な治療へのアプローチ、そして多様な団体が存在しています。

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鍼灸治療を大まかに分けると、西洋医学的な鍼と東洋医学的な鍼に分けられます。

西洋医学はデカルトの「心身二元論」をもとに身体をメカニカルな機械と考え、科学的に捉える事から始まっている為、何処の部品に故障があるのか、切除するのか、とりあえず患部をどう抑え込むのかという事に重きをおいています。

 

西洋的鍼灸治療の場合、痛む筋肉上、または、そのトリガーポイント、またはその関係する神経走行上に、生理学的鎮痛効果を期待して物理療法を施すと捉えることが主流であり、主に整形外科やリハビリテーション科が扱う症状が対象となります。

 

一方で、東洋医学的な鍼灸治療は、身体は小宇宙(自然)であるというという自然哲学から始まっていて、身体の各部分には、それぞれネットワークがあり、人間の身体はそれらの働きの関係性から成り立っていると考えから、臨床医学として発達してきました。

 

そのため、人間と、その環境丸ごとを全体的にみて、どのようにバランスがくずれて病気になっているのかという所を重要視します。西洋医学的な鍼灸との違いは、より幅広く身体の不調に対応できるという点です。

 

一概に、西洋的医学と東洋的医学のどちらが良いというのではなく、そのアプローチに違いがあると言えるでしょう。

また、一般的に鍼灸は痛みに即効性があると考えられていますが、それだけではなく免疫力を高めて病気を予防し、慢性的な心身の不調を、根っこから元気にして行く力もあります。

次回は、東洋医学的な鍼灸についてもう少し詳しく見てゆきましょう。