鍼灸と腰痛、鍼灸と自律神経に関する様々な症状

 

鍼灸師 濱野英太郎

第八回:東洋医学的な鍼灸とメンタルヘルス

今回は、うつ症状を始めとするメンタルヘルスについて書きたいと思います。

厚生労働省の「みんなのメンタルヘルス」のサイトによると「日本では、100人に3~7人という割合でこれまでにうつ病を経験した人がいるという調査結果があります。」

という報告がありました。日本で鍼灸院にうつ症状が主訴でいらっしゃる患者さんは少ない印象ですが、イギリスでは、不安感やうつ的な傾向を訴えてくる患者さんはよく見かけます。
 

イギリスでは、冬場、日照時間が短く、雨も多いせいか、毎年うつ症状(ディプレッション)に悩まされる人が多いそうです。

特に昨今のコロナ禍でロックダウンが続き、世界中でメンタルヘルスの問題は増加していると思われます。

その程度は、軽症であれば、やる気がでない、不安感がある、落ち込み易いなどの症状が多いです。重症になると家に閉じ籠り人に会いたくない、自殺願望があるなど重症化し、いわゆる統合失調症や躁鬱病、パニック障害などに発展します。また薬物やアルコール依存もメンタルが原因であると言えます。
 

うつ症状のある方は、大体、肩こりや頭痛、呼吸がしづらい、疲労感が取れない、食欲がない、また不眠などの症状がみられます。

仏教の教えに「心身一如(しんしんいちにょ)」という言葉がある様に、昔から東洋では“こころ”と“身体”は密接な繋がりがあると考えられてきました。よく“ストレスで胃が痛くなる”、“緊張で身体が震える“などはいい例ですね。

そして、身体が元気に成ってくると、気持ちも晴れやかになり、前向き成ることは誰しも経験があることでしょう。
 

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東洋医学では、五行(自然界の5つのエネルギーの要素)に感情も当てはめられており「木=怒り、火=喜び、土=思い、金=悲しみ、憂い、水=驚き、恐れ」となっています。

例えば、「木」のエネルギーは、怒りのエネルギーでもありますが、何かを始める時の行動力の源でもあり、春になって芽が出てのびのびと上昇していく時のエネルギーです。それが精神的、肉体的ストレスによって長期に渡って抑え込まれると、そのエネルギーは行く場を失い鬱屈する事になります。

またパニック障害などは、恐怖の体験がきっかけとなり、交感神経亢進による様々な症状が体に現れますが、「水(すい)のエネルギー」を上手く処理してあげると、徐々に正常に戻ってゆきます。(程度に寄りますが、3か月期間程度の長期的な治療が必要になります。)

よく使われる経穴(ツボ)は、精神安定作用のある、頭のてっぺんの「百会(ひゃくえ」、「肝経」の代表のツボ、足の「太衝(たいしょう)」、こころを落ち着かせる、手首内側に「内関(ないかん)」、心を静める下腹部の「関元(かんげん)」などがあります。

なんとなくやる気が出ない、不安感が取れないと言う事が何週間も続くような場合は、
早い段階で、鍼灸を受けられる事をお勧めします。